西上寛の日々ブログ

子供たちに繋いでいきたいもの

2016/05/31

昨日 小学校5年生の家庭科の授業として「お茶の淹れ方」をお話させていただきました
お茶の淹れ方だけを私がするわけはありません(笑)

まず 子供たちに質問です
私「今朝 お茶を飲んできた人」
(手を挙げたのは クラスの半分以下!)
私「じゃあ どんなお茶を飲んできましたか?」
子供たち「爽健美茶!」「十六茶!」「お~い お茶!」
(あれ?「綾鷹」と「伊右衛門」が無いぞ???)
私「お茶の種類って何知ってる?」
子供たち「烏龍茶!」「緑茶!」「麦茶!」「爽健美茶!」
(おい おい ここにも爽健美茶出てくるぞ(心の中で苦笑))
私「質問を変えまぁす 次のお茶の中で 仲間はずれはどれですか? 緑茶と紅茶と烏龍茶と麦茶」
(子供たちが挙手した割合は 緑茶30% 烏龍茶10% 紅茶10% 麦茶50%)
私「正解は 麦茶です!(おぉぉぉぉ というどよめき)」
子供たち「そうか!麦から出来ているから麦茶なんだ!」(そうそう そうなんだよ)

そのあと45分授業のうち15-20分で上記のやり取りを含めてお茶の木の話やお茶がどこから来たか お茶の作り方などを簡単に説明させていただきました
子供たちは熱心にノートに書き込んでくれていました
ちょっとした小学校の先生気分でした

そして いよいよお茶の淹れ方をみんなでやってみました
子供たちは 吸収力もよく みんな熱心にちゃんと淹れられてました

終了後 ある男の子が「これで老後の楽しみが増えたよ!」
おいおい!君が老後を迎えるには あと半世紀以上過ごさないといけないんだよ!
それよりも 今日からお茶のある暮らしを始めようよ(苦笑)

分かっていたことではありますが お茶はおじいちゃんやおばあちゃんのものと捉えている子がいることに 少なからずショックを受けました(苦笑)
日本の家庭にはペットボトルのお茶(酸化防止剤が入っているもの)が横行し 大昔クスリの代わりをしていた「茶」が姿を消している現実を突き付けられ 改めて『日本茶のある暮らし』を 新しいモノとして定着させるための試みをしないといけないなぁ と強く感じました

『日本茶のある暮らし』は かつて日本のどの家庭にもありました
それを取り戻す作業というのは それを知っている世代に対するアプローチです
私は 取り戻すことは不可能だと思います 何故なら 今の経済社会の中心世代である20-50代の人たちにとって 急須でお茶を淹れることは 懐かしい風景では無いからです その風景は 20-50代の人たちにとっては 懐メロ的な「親の世代のもの」だからです

『日本茶のある風景』を日本に新たに定着させること
我々 日本茶専門店含め 茶農家や茶商など茶業界全体はそう思わないといけないのです
茶道のように特別な人だけが緑茶に接することは業界の斜陽化を進めるだけです

日本茶を「日本」の経済の一員として存在し続けるために 改めて気が引き締まりました
今回 お誘いいただいた小学校の先生方  ありがとうございました
機会があれば また よろしくお願いいたします

今回も最後までお読みいただき ありがとうございます(多謝)

【おまけ】
井上小学校
手品をしているわけでは ありません  鳩は出てきません